国際宇宙ステーションからの息をのむような 20 枚の画像

16. 凍った野生のドニエプル川

ロシアの広大なツンドラ地帯を宇宙から見下ろすと、雪に覆われた大地と凍った川の流れが一体となった光景が広がります。この最近の国際宇宙ステーションからの写真は、長さ約1,400マイルに及ぶドニエプル川の上流域の様子を捉えています。茶色の大地と白い雪原のコントラストが印象的で、蜿蜒と流れる川の跡が時折現れては次の雪原に飲み込まれていきます。この地域の極寒の気候では、雪に覆われた期間が一年のうち半分以上を占めています。全ての植生が凍りついた大地は、灰色と白一色の世界となり、まるで月面を連想させるほど無機質です。しかしこの荒涼とした景色の中にも、太陽の光が弱く射し込み、細かな地形の起伏を浮かび上がらせています。人間の手が入る余地のない未開の大地ですが、自然の営みが絶え間なく営々と続いていることに気づかされます。春になれば、雪解け水が大地を潤し、やがて草木が生え育つことでしょう。こうした循環を永きにわたり繰り返してきたことで、私たちの生存基盤が築かれてきたのです。